S系外科医の愛に堕とされる激甘契約婚【財閥御曹司シリーズ円城寺家編】
風格のある松の木、高級そうな鯉の泳ぐ池、美しく整えられた枯山水。観光名所のような日本庭園を進んだ奥に、立派なお屋敷が建っていた。
不安いっぱいのまま、和葉は円城寺家に足を踏み入れる。なかも純和風で、この家の歴史と伝統がひしひしと伝わってきた。
「おかえりなさいませ、柾樹さま」
執事らしき老齢の男性が柾樹を出迎え、応接間へと案内してくれる。
(執事さん……って、現代日本にも実在してたのね)
「ワンピースじゃなくて着物を着てくるべきだったでしょうか?」
長い廊下を歩きながら、和葉はヒソヒソ声で柾樹に尋ねる。
一応、持っている洋服のなかで一番高価なピンクベージュのワンピースに白いジャケットを合わせてきたが……こういう家なら着物が礼儀だったかもしれない。
「服なんかなんでも構わないよ」
そう言ってから、柾樹はちらりと和葉に視線を送る。
和葉は不安そうな声を出す。
「や、やっぱりカジュアルすぎると円城寺さんも思いますよね?」
ふいに柾樹が和葉の腰に腕を回した。そのままグッと引き寄せ、ささやく。
「いや。その服はよく似合ってるし、俺好みだ」
唐突な甘い台詞に和葉の頬がポッと赤く色づく。すかさず柾樹は言葉を重ねる。
「そういう表情も好きだ。もっと見たい」
「な……なにをおかしなことを! 大事な場面で混乱させないでください」
不安いっぱいのまま、和葉は円城寺家に足を踏み入れる。なかも純和風で、この家の歴史と伝統がひしひしと伝わってきた。
「おかえりなさいませ、柾樹さま」
執事らしき老齢の男性が柾樹を出迎え、応接間へと案内してくれる。
(執事さん……って、現代日本にも実在してたのね)
「ワンピースじゃなくて着物を着てくるべきだったでしょうか?」
長い廊下を歩きながら、和葉はヒソヒソ声で柾樹に尋ねる。
一応、持っている洋服のなかで一番高価なピンクベージュのワンピースに白いジャケットを合わせてきたが……こういう家なら着物が礼儀だったかもしれない。
「服なんかなんでも構わないよ」
そう言ってから、柾樹はちらりと和葉に視線を送る。
和葉は不安そうな声を出す。
「や、やっぱりカジュアルすぎると円城寺さんも思いますよね?」
ふいに柾樹が和葉の腰に腕を回した。そのままグッと引き寄せ、ささやく。
「いや。その服はよく似合ってるし、俺好みだ」
唐突な甘い台詞に和葉の頬がポッと赤く色づく。すかさず柾樹は言葉を重ねる。
「そういう表情も好きだ。もっと見たい」
「な……なにをおかしなことを! 大事な場面で混乱させないでください」