S系外科医の愛に堕とされる激甘契約婚【財閥御曹司シリーズ円城寺家編】
 どこか無理した笑顔を彼は作った。

「――気をつけて帰ってくださいね」
「う、うん。安吾くんもね」

(やっぱり、安吾くんは結婚に反対なのかな? 私に円城寺家の嫁が務まるのか心配してくれているのかも……)

 彼がなにか言いたいことを我慢したのは察したが、和葉としても無理やり聞き出すことはできなかった。

(だって、安吾くんに反対されても、この結婚を止めることはできないから――)

 円城寺柾樹の妻になると決めたのだ。たとえ、愛のない結婚でも。















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