S系外科医の愛に堕とされる激甘契約婚【財閥御曹司シリーズ円城寺家編】
和葉の困惑を無視して、彼は寝室へと足を踏み入れる。広いベッドルームには大きなベッドがひとつ置かれているだけ。それが妙に生々しく感じられた。
(ま、待って。まだ全然心の準備が……)
和葉の身体がどさりとマットに沈み込む。それを追いかけるように彼が覆いかぶさってくる。
「円城寺さん、ちょっとストップ!」
「嫌だね」
和葉を見おろす彼の瞳は、恐ろしいほどに色っぽい。
「だって、まだ夕方ですよ。いや、時間の問題じゃないですけど」
夜が深まったからといって、受け入れられるものではないが――。
「そう、時間なんか問題じゃない。俺は朝でも夜でも全然構わないしな」
「な、なんでそんなにせっかちなんですか~?」
婚姻届の提出といい、これといい……柾樹は事を急ぎすぎではないだろうか。それとも、仕事のできる男はこういうものなのか。
「――和葉が欲しいから。一刻も早く、名実ともに俺のものにしたい」
やけに真剣な表情に、切実な声。
彼ほどの男にこんなふうに言われて、落ちない女などいるだろうか?
(――ずるい。この人はきっとわかってて言ってるんだ。私が簡単に騙されることを知ったうえで)
契約だからと、正直に言ってくれるほうがずっと優しいのに。
甘い台詞に惑わされているだけだと理解していても、どうしても彼を拒むことはできなかった。
(ま、待って。まだ全然心の準備が……)
和葉の身体がどさりとマットに沈み込む。それを追いかけるように彼が覆いかぶさってくる。
「円城寺さん、ちょっとストップ!」
「嫌だね」
和葉を見おろす彼の瞳は、恐ろしいほどに色っぽい。
「だって、まだ夕方ですよ。いや、時間の問題じゃないですけど」
夜が深まったからといって、受け入れられるものではないが――。
「そう、時間なんか問題じゃない。俺は朝でも夜でも全然構わないしな」
「な、なんでそんなにせっかちなんですか~?」
婚姻届の提出といい、これといい……柾樹は事を急ぎすぎではないだろうか。それとも、仕事のできる男はこういうものなのか。
「――和葉が欲しいから。一刻も早く、名実ともに俺のものにしたい」
やけに真剣な表情に、切実な声。
彼ほどの男にこんなふうに言われて、落ちない女などいるだろうか?
(――ずるい。この人はきっとわかってて言ってるんだ。私が簡単に騙されることを知ったうえで)
契約だからと、正直に言ってくれるほうがずっと優しいのに。
甘い台詞に惑わされているだけだと理解していても、どうしても彼を拒むことはできなかった。