S系外科医の愛に堕とされる激甘契約婚【財閥御曹司シリーズ円城寺家編】
裸のままの背中に彼の体温を感じる。身体はまだほんのりと熱くて、甘い余韻が抜けきっていない。
「思ったとおり、俺たちは相性がいい」
少しかすれた柾樹の声はセクシーで、和葉の背筋はぞくりと震えた。情事が終わったあとも、彼は和葉を懐に抱き締めたまま放してくれない。優しく髪を撫でられると、勘違いしてしまいそうになる。
(ただの契約妻なのに……この人は妻が欲しかっただけで、私を欲しているわけじゃないのに)
「あの、円城寺さん。そろそろ服を着させてください」
軽く彼を振り向いて和葉は訴える。
「柾樹。そう呼ばないなら放さない」
有能オーラを振りまいているくせに、彼は妙に子どもっぽい一面も持ち併せている。
「ま、柾樹さん。いいかげんに放して……」
照れくさそうに和葉が小さな声で言うと、彼はくるりと和葉の身体を反転させて今後は正面からギュッと抱いた。
「あ、あの」
「いいな、名前で呼ばれるの。――もう一回」
耳元に唇を寄せて彼はささやく。
「――柾樹さん」
消え入りそうな声で和葉は言う。
「かわいいから、やっぱりもう少しこのままで」
「え、えぇ~」
柾樹はよりいっそう、強く和葉を抱きすくめた。
(や、やめてほしい。たとえ演技でも、嘘でも……こんなふうに扱われたらいい気分になっちゃうもの)
「思ったとおり、俺たちは相性がいい」
少しかすれた柾樹の声はセクシーで、和葉の背筋はぞくりと震えた。情事が終わったあとも、彼は和葉を懐に抱き締めたまま放してくれない。優しく髪を撫でられると、勘違いしてしまいそうになる。
(ただの契約妻なのに……この人は妻が欲しかっただけで、私を欲しているわけじゃないのに)
「あの、円城寺さん。そろそろ服を着させてください」
軽く彼を振り向いて和葉は訴える。
「柾樹。そう呼ばないなら放さない」
有能オーラを振りまいているくせに、彼は妙に子どもっぽい一面も持ち併せている。
「ま、柾樹さん。いいかげんに放して……」
照れくさそうに和葉が小さな声で言うと、彼はくるりと和葉の身体を反転させて今後は正面からギュッと抱いた。
「あ、あの」
「いいな、名前で呼ばれるの。――もう一回」
耳元に唇を寄せて彼はささやく。
「――柾樹さん」
消え入りそうな声で和葉は言う。
「かわいいから、やっぱりもう少しこのままで」
「え、えぇ~」
柾樹はよりいっそう、強く和葉を抱きすくめた。
(や、やめてほしい。たとえ演技でも、嘘でも……こんなふうに扱われたらいい気分になっちゃうもの)