はじめての さよなら… 《plot story ver.》
第1話 出会いは突然
「先輩、これ……、お願いします」
放課後、図書室で宿題を片づけているときだった。俺、相原雅樹の後ろから女子の声がした。
「ん? あぁ、俺に?」
そこにいたのは二人の女子生徒だった。その内の一人が俺に封筒を差し出している。
「はい。また明日来ます。勉強のお邪魔してすみませんでした」
ぺこりとお辞儀をして、二人は立ち去っていき、俺の手にはキャラクターがあしらわれている封筒が残されていた。
確か、その子は見覚えがあった。確か制服に付いている学年色を確認すれば、中学1年生だ。高校3年の自分から考えれば5歳も年下となる。
そんな子と面識があるとすれば、先月行われた体育祭と、高校1年の後輩の部活の手伝いをしているときに見たことがあった。
名前などは知らなかったけど、他の同級生と比べても背が低かったので目立っていた。
そんな子が、この学校でも最上級生でもある自分にわざわざ手紙を渡しに来るというのも、あまり聞く話ではない。
そもそも、女性から手紙をもらうということ自体が少なかった自分。この手元にあるものの中身に書かれている内容にもよるが……。
俺は貰った手紙の封をカッターでそっと開いてみた。
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