おにぎり屋さんのイケメン店長は、初恋の彼女を口説き落としたい。
お店を閉めた篠原さんは、私が使っていた食器を片付けて私の隣に座った。
「ぶっちゃけるとね、僕は、元々さ会社を経営していたんだ。そこそこ大きな会社でね、だけど、経営には向かなかったんだよね。だから、社長は降りて……今に至る」
「なんかすごい話ですね?」
「だね。ま、社長やっていたときより楽しいよ。円満退職だし、退職金はたんまりと従兄にいただいたから人が来なくてもさお店が出来てる」
そういうことかぁ……すごい経歴だ。
「だから、大丈夫。倒産はしないし、出て行けなんて言わないから」
「それはとてもありがたいです」
「うん。良かった……じゃあ、早速住み込みの部屋案内するから滞在してるホテルに行こう」