おにぎり屋さんのイケメン店長は、初恋の彼女を口説き落としたい。
気持ち


「いらっしゃいませ! お好きなお席にどうぞ」


 あの日からもう一ヵ月経った。篠原さんは、送迎と三食付きの生活を提供してくれて……とても快適に暮らしている。


「花葉ちゃん、お皿洗ってもらえる?」

「はい! 了解です!」


 私は厨房に入るとまだ水に浸かったままの食器を見て服の腕捲りをすると「よし!」と気合いを入れて洗い始める。


「花葉ちゃん、仕込みも同時進行で!」

「はーい!」


 今は、昼前の十一時。おにぎり屋さんの本番はお昼だ。
 一ヵ月も働けば、大体のお店のことやお客様の傾向がわかってくるようになった。

 朝はお年寄りが多い。
 昼に近づくと、会社員の方がやってきたり主婦層の方が昼過ぎに来たりする。


「仕込み始めようかなぁ」


 頼まれた仕込みを始めようと、まずは野菜を取り出した。



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