おにぎり屋さんのイケメン店長は、初恋の彼女を口説き落としたい。



  ***



「じゃあ、私行ってきます」

「うん。気を付けてね」


 今日はお店は定休日。会社倒産して篠原さんにお世話になるようになってから初めて、友人と遊びに行く。

 とても楽しみだ。


「やっぱり送ろうか? 僕は心配で……」

「大丈夫です。でも、帰り遅くなったら連絡しますね」

「あぁ。待ってる……じゃあ、行ってらっしゃい」


 私は、タワマンから出ると駅に向かう。駅までは五分もかからないからすぐに行ける。それなのにあの部屋に住んでいても電車の音とか気にならないんだよね……不思議だ。やっぱりお金がかかってるから違うのかな。


 電車に乗り三つの駅を通って降りれば、最近オープンしたばかりの商業施設が立っていた。そこで待ち合わせをしている。


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