おにぎり屋さんのイケメン店長は、初恋の彼女を口説き落としたい。


「いらっしゃいませ〜」


 お店は大通りではなく、小道に入り歩いてこじんまりとしている隠れ家のような場所に小さくおにぎりのマークの看板が掲げられていた。

 
「お好きなお席にどうぞ」

「ありがとうございます……」


 席に座るとお店の人がお冷と三つ折りにされているメニュー表を持って来てくれた。

 私は定食を頼むと、店員さんは説明してくださった。


「来店ありがとうございます。こちらの中から三種類の味を選んでいただいて、お汁物も味噌汁と豚汁どちらか選んでください」

「いっぱいありますね……迷ってしまいます」

「ちなみに僕のおすすめは、ダントツ塩むすびです。ピーマンとツナのおにぎりも美味しいですよ」

「じゃあ、塩むすびとピーマンとツナと……梅で。それと豚汁をよろしくお願いします」


 店員さんは「はい、ありがとうございます」と言って微笑んだ。すると、すぐ側であったかいご飯をすぐ近くで握っていて手際がいい……すごい、魔法みたい。


「お待たせ致しました! 塩むすびとピーマンとツナにぎり、梅むすびに豚汁です。今日のおかずは、だし巻き卵とひじきです」


 小さな木で出来たトレーにお皿におにぎり、大きめのお椀に豚汁、四角のお皿に卵とひじきが乗っていた。




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