おにぎり屋さんのイケメン店長は、初恋の彼女を口説き落としたい。


「……どうかしました? なにか、顔についてます?」

「いえ! す、すみません。店長さん、かっこいいなぁと思いまして……それだけです」


 私めちゃくちゃ失礼なことをいってるよね、と思いながら俯く。すると「ははっ、正直ですね」と言った。


「……すみません」

「いいえ、光栄です。僕も失礼なこと言ってもいいですか?」

「はい、もちろんです!」

「君は何のお仕事を? いつも、違う時間に来てくれるよね?」


 あー……やっぱり気になるよね。
 そりゃそうだ。


「実は、勤めてる会社倒産しまして。それに住んでいたマンションも火事で……なので、恥ずかしいのですが就職活動中のホテル暮らしなんです」

「え、そうなんですか!? ホテル暮らしって、危なくないのですか!」

「大丈夫ですよ。私みたいな人、襲う人もいないですよ」

「そんな、君のような可憐な方が……可愛いんですから危ないです」


 可憐!?可愛い!?どこが?



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