君と、松笠菊と。
国語の授業になり、席が変わる。私はふと、隣を見た


イロハがいる。


私は無意識のうちに、彼を見つめてしまっていた。

気がつけば、

イロハとガッツリ目が合っていた

「わっ!」っと声が出そうになるのを必死に堪え、私は視線をずらした方がいいのか、悪いのか分からず、あたふたしていた

……でも、イロハは視線をずらそうとはしていなかった。


自然と見つめあってしまった


なんだか、不思議な気持ちになった。

彼の顔を直視したことが無かった私は、顔を見るなり意外な所に気づいていく。

まつげが長い。私よりも長いのではないかと不安になるほど。


そして何より、彼の目が綺麗で、一般的に言う、「可愛い」とか「かっこいい」とか、
そういうのでは無く、「美しい」。

惹き込まれるような…美しい瞳だった。

彼は少しすると、ゆっくり視線をずらした。


私も、気持ちを落ち着かせ前を向いた。
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