キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─
「見守ってくれるって言ってたじゃんっ!嘘つき!頼くんの嘘つきっ」
「なに勘違いしてんのか知らないけど、これに替えろってこと」
「へあ?」
騒ぐわたしを冷静に排除するように、隠しつつ持っていたらしい何かが渡される。
「……こちら、なんですか」
「タンクトップ型のサラシ」
これならずり落ちないだろさすがに───と。
わざわざ買ってくれたの…?
わざわざ探して用意してくれたの…?
わたしのために…?
「俺べつにバレてないしっ」
「まだ上着きてるからでしょ。これから暑くなるだろうし、Tシャツ1枚になったら透けるだろうね。制服も同じ、あたま使えってアホの子」
「うぐっ…」
アホの子ってっ、アホの子って…!
でも頼くんの意見は一理どころか百理もあるため、ここは素直に受け取ることにした。
にしても悲しいものは悲しい…。
胸の膨らみがあってバレるとかじゃなく、透けてバレるんだって…。