キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─




そうやって体育祭の日から過ごしていたけれど、変わらない毎日がわたしを助けてくれた。

今ではもう、隣の席同士として、クラスメイトとして、前よりも打ち解けてしまったような。



「そっちの公式じゃなく、この公式に当てはめると簡単に解けるよ」


「ちょっと琥珀。それ裏技なんだからそんな簡単に教えないでって」


「えっ、本当じゃんっ!もー!そんなのあるんならもっと早く言えよ~!ねえムツミ!」


「まじそれ!!」



意地悪な頼くんを越えてしまう琥珀くんのマイペースさ。

さすが学年でも上位に君臨する彼らはレベチというやつだった。



「いいか、カンナ。約束忘れたわけじゃねーよな?」


「もちのろん!どっちが勝っても負けても恨みっこナシ!」


「よしっ、せーのっ!!」



数学以外はまあまあな点数だったことはムツミも同じらしく。

そんな期末テストの結果が返された放課後、わたしとムツミは残る1教科の結果を見せあった。


………52点。


わたしとまったく同じ点数が目の前に。



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