キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─
ふたりだけのひみつ
「カンナ!」
「なーちん!!」
ひしっっ。
再会を果たしてほんの数秒で抱き合う。
「あ~~~、このなんとも言えない可愛さが待ち遠しかった~~~」
「なーちんも相変わらず大きいね!柔らかいし良い匂いするーっ」
ぱふっ、ぱふっ。
埋まります。
危うく窒息しかけます。
「……なに普通にセクハラ発言してんのよ、あんた」
「あっ、ごめん!」
いつもの癖でというか、それを言ったら誤解を招きそうだから言えないんだけど…。
男として生きる自分がつい出てしまった。
夏休みも後半に差し掛かった今日。
ちょうど中盤あたりから実家に帰省していたわたしは、ようやく友達と都合を合わせることができた。
もちろんいろんなものを悟らせないようにワンピース姿で、髪にはシンプルなピンなんかも付けたりして。
「それにしても髪切っちゃったのねー。もう伸ばさないの?」
「うんっ!今のところは!軽くてね、動きやすくて最高だよ!」
「うんうん似合ってる。……って!!聞きたいことはそんなことじゃなかった!!」
「わっ!」