キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─

ふたりだけのひみつ





「カンナ!」


「なーちん!!」



ひしっっ。

再会を果たしてほんの数秒で抱き合う。



「あ~~~、このなんとも言えない可愛さが待ち遠しかった~~~」


「なーちんも相変わらず大きいね!柔らかいし良い匂いするーっ」



ぱふっ、ぱふっ。

埋まります。
危うく窒息しかけます。



「……なに普通にセクハラ発言してんのよ、あんた」


「あっ、ごめん!」



いつもの癖でというか、それを言ったら誤解を招きそうだから言えないんだけど…。

男として生きる自分がつい出てしまった。


夏休みも後半に差し掛かった今日。


ちょうど中盤あたりから実家に帰省していたわたしは、ようやく友達と都合を合わせることができた。

もちろんいろんなものを悟らせないようにワンピース姿で、髪にはシンプルなピンなんかも付けたりして。



「それにしても髪切っちゃったのねー。もう伸ばさないの?」


「うんっ!今のところは!軽くてね、動きやすくて最高だよ!」


「うんうん似合ってる。……って!!聞きたいことはそんなことじゃなかった!!」


「わっ!」



< 170 / 377 >

この作品をシェア

pagetop