キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─
ぐわっと離された身体。
とりあえずいつものコースでいい?と、こっちに住んでいた頃のお決まりコースを選択してきた。
外で騒ぐのも近所迷惑なため、まずはカラオケへとレッツゴー。
「あのイケメンは何者なのよ!!」
「あのイケメンって…どのイケメン?」
「写真のっ!!イケメンの!!ことよ!!!」
「あーーっと、クラスメイト!!」
いつの写真だろう…?
何枚か送っているけれど、必ず隣にいるのは頼くんだから、たぶんなーちんは頼くんのことを言っているはず。
カラオケボックスの部屋に入ってさっそく、なーちんは探偵さんに変身を遂げた。
「ふむふむ、初めての友達…と。彼女の有無は?」
「どうなんだろ?そーいうの聞いてないから分かんないっ」
「聞いておいてねよろしく。どっちから声かけたの?」
「えっとねー、たしか向こう!」
「え!かけられたの!?」
かけられたっていうか……、まあいろいろあったんだよ、なーちん。
なーちんにも言ってはならぬ事情というものが。
あれからもう4ヶ月経つんだなあ…。
早いなあ。