キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─
「俺ね、今すっごいお前を甘やかしたいの」
ぎゅっと抱きしめられて、頭を撫でられて。
頬を撫でたついで、頼くんの指はわたしの唇にふにっと触れた。
「んむぅ」
「……やば」
ふにふに触って、くにょっとつまんで。
遊んでいる。
ひとの唇で満足するまで遊んでる…。
やばって…、そんなに変な顔してますか。
でもそれ、頼くんがさせてるんだよ。
「これ、もっと今以上に柔らかくふにゃふにゃになるまでさ。形なんか崩れるくらい、熱で溶けるくらい……してみたいよね」
………なにを。
このひと、わたしの唇をどうする気なんだ。
「ダメだよカンナ。俺以外の奴にさせたら」
主語がないから、わからない。
あえてそんなふうに伝えてきていることだけは、知っている。
「いつか…近いうち。俺がもらう予定なんだから」
ぼうっと聞いているわたしを良いことに、次は耳。
遊ぶように耳たぶを優しくいじってくる。
「それ、やっ」
「……そう言われるともっとしたくなるのが俺ね」
「えっ、いじわるすぎる…!」
「そーなの。俺はいじわるなんだよ」