キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─
プラカードがどこかにあるんじゃないか。
テッテレ~なんて出てこられたら、もれなくカンナは泣いちゃうぞ。
……いくら待っても現れないぜネタバラシ。
「い、いつから…?」
「いつからだと思う?」
「ええ…、返されたあ……」
「ふっ。…気づいたときには、だよ」
どうしよう、ふわっふわだ。
嬉しくて幸せで、なんかもうよく分かんないけどすごい心地。
「カンナ?とりあえず頬っぺたつねろうね」
「うい。……いてえっす」
「なら、夢じゃないってことだ」
優しくつねられた場所に唇が落とされる。
そこまで痛かったわけでもないけれど、一瞬にして消してしまう甘さが広がった。
「ね、もーいっかいキスしよっか。そうすればもっと実感すんだろーね?」
「うへ!?ちょっ、ちょっとお待ちください兄貴…!こころのっ、いかんせん心のじゅ───んっ!」
だれがアニキだよ───と、頼くんは微笑みを浮かべながら重ねてきた。