キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─
ふたりきりだと逆に話してくれるっぽい。
そんな俺の前に出された、飴玉。
どうにもこれでお昼を乗りきったらしいんだけど、なんだこの会話。
「デハ、シツレイ」
「まーって」
「アワワワワっ」
「…ふっ、」
ぐいっと近づいて行く手を阻めば本当に言葉通りあわあわし出すから、可愛いと思ってしまった。
相変わらずサングラスとマスクなんだけど。
てか、そんなサングラスどこで買ったの。
「…キス、気持ちよかったね?」
「っ~!オウで、ゴザイマス!!」
「あ、一応は素直に認めるんだ」
でも認めてくれたことが嬉しい。
あんなにとろんとろんな女の子になってたし、気持ちいいんだろうなって俺にも伝わってくるぐらいの顔してたし。
……とか言ってたら、なんかもう1回したくなっちゃったし。
「なっ、なぬっ、オヤメクダサイ…!」
「ここですると禁断って感じしてドキドキしない?」
「こっ、コチラはトリハズシマセン!ゼッタイ!」
必死にマスク押さえてるけど、耳が真っ赤な時点で隠せてない。