キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─
「はいお風呂っ、用意したから……!身体あっためて!あっ、ちゃんと出る前は30秒数えるんだよ!」
「……うん」
わたしが普段着にしている男用の服があって良かった……。
そうじゃなかったら琥珀くんにワンピースを着させるハメになるところだった。
……うんうん、それも似合いそうではあるけれども。
「……郡さん、あつい」
「ダメ…!風邪引かないようにしなくちゃっ」
お風呂から上がった彼をカーペットに座らせて、暖房を2度上げて、あるだけの毛布や布団を琥珀くんの身体に巻き付ける。
神様が体調を崩すだなんて、そんなの世界はどーなっちゃうんだって話だ。
「俺ココア入れてくる!甘いの飲める?」
こくんと、大人しく首を動かしてくれる琥珀くん。
キッチンへ移動してポットでお湯を沸かし、マグカップに注いだ。
「……これ、なに」
「っ!!ぎゃーーー!!!!」
そして戻ったわたし、危うくマグカップを豪快に落としそうになる。