キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─
「あいつ最悪だぜ?ドタキャンとか意味わかんねーって!女子たちも御堂が来ないならっつって5分で帰ったしよー!」
「……どた、きゃん」
「どーせ最初から来る気なんか無かったんじゃねーの」
サチヤ、シン、リョウタローには気の毒だけど、わたしとしては嬉しすぎる。
最初から来る気がないのに、教室ではあんなに言ってたのはどうして…?
わたしが居るところで必ず言ってたのは、どうして…?
「あっ、カンナ!!俺らの代わりに怒っとけ!!」
「おうっ!ありがとう良くやったって言っとく!!」
「テメー!!」
頼くん、頼くん。
頼くんのそーいうところ、大好きだよ。
頼くんなりに拗ねてたのかなって思ってもいい?
優しすぎる頼くんだから、ちょっとだけわたしに当て付け、みたいな。
「頼くんっ!!」
どこにいるか分からなかった。
いつもふたりで歩いた場所を探して、学校にも戻ったり、考えられるところを探して。
そんなことをしていたら日が暮れてきちゃって、最終的にわたしが選んだ場所は───、