キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─
「ずっっとこうして触りたかったし声聞きたかったし、カンナのこと考えない日なんか無かったし、間違い電話を装って電話しようかギリギリまで悩んだりしてた。
琥珀とシュークリームとかほんと意味わかんなかったし、あーもう俺のカンナなのにってずっと思ってた。合コンなんか最初から行く気なかったよ。…ただカンナを妬かせたかっただけ。だから今だって、ほんとは来てくれるの……待ってた」
器用だけれど本当は精いっぱい。
彼は言うなれば、王様の隣に立っている側近ってところだ。
でもわたしは、そんな優しすぎる格好いい側近さんを選んだ。
「ってことを嫌になるくらい教えたいから、今日はカンナチャンのとこに泊まりね」
「……へっ!?ちょっ、それはっ、お待ちくださ───んぅ…っ!んっ」
身体がどんどんとろけて、気づいたときにはおもいっきり頼くんの首に回っていた自分の腕。
応えてくれる頼くんの手は私の後頭部、ほら安定の慣れた動作で引き寄せてくれる。
でも、これじゃないとだめ。
どうしたってこれがいいの。
「よりくっ、んっ、…ッ、んん…っ!」
ここ外だよ頼くん。
いっぱいいっぱい大好き溢れてるけど、ちょっと激しすぎるぜ兄貴。
と離そうとすれば、止まった涙の代わりにもう1度重ねられる唇。