キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─
アホの子、大ピンチ!?
「はい、つーことで転校生の郡くんだ」
「郡 カンナです!誕生日は11月の16歳です!!よ、よろしく!!」
「おう、図々しいな。まあそーいうことで優しくしてやれよ。あんまいじめんじゃねえぞ」
なるべく大きく名前を書いた黒板の前。
ポンっと、わたしの頭に手を乗せた担任教師。
クラスの人数は平均的な35人、だがしかし、やはりみんな男。
派手な髪色からシンプルな髪色まで幅広く、個性を彩るアクセサリーや香水。
共通点を出すならば顔が整っていることくらいだろうか。
「チビっ!声たかっ、きみ小学生ー?」
「訪れなかった変声期と成長期!!これはキツいわ!ぎゃはははっ!!」
「なあなあ郡くん、あとで一緒にトイレ行こーぜ?確かめたいことあっから!」
「…………」
とてつもなく下品、そして最低。
案の定さっそく笑い者。
こうなることは予想の範囲内だったらしく、隣に立つ斎賀先生までもが鼻で笑ってきた。
これがいわゆる男子校で言うところの、可愛がられる───らしい。