キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─
「で、俺たちにまた道具として頑張れって?」
「ちがう。一緒にトップを目指して欲しいんだ。僕の……戦友として」
「……戦友…?」
戦友、だなんて。
それはどちらが誰に対しての戦友なんだ。
「僕の音楽には頼とムツミが必要だ。一緒に上を目指すために、必要なんだ」
一緒に、って。
俺たちのことを道具として見てはいない───とでも言いたいのか。
「頼」
俺が何度冷たく返したとしても、断ったとしても。
それでも諦めない闘志を持って続けてきた。
「これからは僕は作曲しかしない。作詞は……頼に任せたい」
だから琥珀の曲は俺がいないと完成しない、と。
わかるよお前が言いたいことくらい。
だって俺はお前の幼なじみなんだから。
嫌でも、幼なじみなんだから。
「っしゃーねえ!やってやるか!」
「…ムツミ、」
「頼は?やんねーの?」
「………」
「ふはっ!そんな嬉しそうな顔して、やんねえってのはありえねーよなあ」