キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─
「おう。………はっ!?!?」
目を大きく開いて立ち上がったムツミ。
それを見て思わず吹き出した俺と琥珀。
「は!?俺!?だから無理だっつってんだろ!なんで俺だよっ、俺なんか結局は幼なじみでもねーわけだし!」
「だからだよ」
「…だから?」
「だから繋がりたいんだよ、俺たちはムツミとも。幼なじみって糸がなかったとしても、俺たちに欠かせない唯一のドラマーとして」
「……、」
おまえ、いつも気まずさを感じてただろ。
本当はもっと自分の考えを言いたいのに、でも自分は幼なじみじゃないからって、途中から加わっただけのメンバーだからって。
いつも遠慮して、一歩下がってたよね。
もうそんなことしなくていいように、これからはお前がリーダーだ。
「…琥珀、おまえは反対だろ…?俺なんかがリーダーとか、さ」
すぐに首を横に振った琥珀。
僕もムツミにしようと思ってた───と、つづけた。
「今後の最終決定権は僕じゃなくムツミだよ。僕たちが作った曲をどう使うかも、ムツミが決めていい。Ark.の曲は……僕たちみんなのものだから」