キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─
「えっ、ええええ…!?カンナちゃんどーいうこと!?」
「いつこんなイケメンとお知り合いに…!?」
ごめん、それどころじゃない。
やっぱり毎日じゃなくなったから足りないよ頼くんが。
いつもいつも学校で寂しいもん。
頼くんの優しさとでかすぎる愛がないと、わたしはダメみたいだ。
「なんでっ!学校はどーしたの頼くん…!」
「ちょうど今日は振替休日だったからサプライズ。…新曲のデモテープが完成したんだ。あとで聴かせてあげる」
こそっと、耳元でわたしだけに特別なお知らせ。
ふわりと抱き寄せられて、後頭部が撫でられて。
……まで、来たところで。
生徒たちに囲まれていることを思い出した。
「あっ、いやっ、このお方はっ」
「カンナちゃん神藤学院にお兄さん居たなら紹介してよ~!!」
「えっ…」
「ねっ、ねっ、お兄さんだよね…!ねっ!?ねえ!!?」
「…………」
圧がすごい……。
ってか、なんでそーなるの!?
まったく似てないの見て分かるじゃんっ!!
ルックスの差すごいでしょ…!?