キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─
いじわるなキミも好き。
優しすぎるキミも、いつだって見守ってくれて助けてくれたキミも。
ぜんぶぜんぶ、だいすき。
頼くんはもしかしたら、わたしのなかの一番は今も琥珀くんだと思ってるかもしれない。
確かに“最初に”好きになったひとは琥珀くんだけれど、“いちばん”好きなひとは頼くんだ。
「頼くんっ、これからもずっとわたしの王子様でいてね!」
「……ふっ、俺を王子様にしてくれるのはカンナだけだよ」
女の子の私を可愛がってくれて。
男の子の私のことだって可愛がってくれて。
だからね、出会ったときから。
キミだけがわたしにとって、ひみつの王子様だったよ。
「わっ。…どーしたの、カンナ」
「頼くんが大好きすぎるのハグっ!!」
「…俺は…、うーん…」
「えっ…、迷うの…?そこ迷うの…!?なんで迷ってるの…!?かなしいっ」
「ははっ。俺はね、……カンナチャンを愛してる、けど?」
「…!!えへ、でへ、ふへへ」