キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─
………女、ですけども。
ここまで男扱いされるのも逆に、逆になんか、どうして頼くんは見破れたんだろうって褒めたい。
ただ、わたしは、やりすぎちゃったかもしれない。
アララギに恋した女───、
そう言われて唐突に全身に火を吹くほど恥ずかしくなった。
「はっ、ははっ!だよなっ、これはちょっと気持ち悪いか!!ごめん琥珀くん…!!」
どうしよう、すっごく恥ずかしいかも…。
わたし昨日、まだこの町をそこまでよく知らなかったけれど、少し歩く場所にあるモールのケーキ屋さんに行ったりして。
わりと一生懸命探したんだ…。
ラッピングも何度も何度もやり直してね。
そういうの苦手だったから。
実はそんな、そんなシュークリームでした。
「これ俺の昼ごはんだから!気にしないでっ」
乗りきれっ、乗りきるのわたし…!
全員に笑われるなか、パッと引き出しのなかにしまう。
困惑しているだろう琥珀くんの顔さえ見れず、ペラペラと何を話して誤魔化しているのかも分かっていないまま。