キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─
「いーじゃん。別に男がそーいうのやったって。ねえ?」
「っ…!」
ふわりと、背後から肩、首もとにかけて優しい重みが加わった。
わたしの頭上、腕を回すように顔を乗っけてきたのは、かなり警戒すべきクラスメイトである御堂 頼。
ただ琥珀くんが近くに居ることもあって、サイレン発動にはならなかった。
「やってみたかったんだろ?お礼はどんなのがいいかなーって、アホな子なりに頑張りたかったんでしょカンナ」
「………」
「ラッピング、これサイズ感おかしくない?ちょっと袋ちっちゃかったよね絶対。
無理やり押し込んでるし、でもそれくらい頑張ったんだろーね」
……こ、の、や、ろ、う。
ずいぶんとわたしのことをナメすぎている発言だ。
でもぜんぶが図星すぎて悔しい…。
「いらないなら、俺がもらうよ琥珀」
回った腕が、周りに勘づかれない程度にわたしの肩を優しく叩いてくる。
まるで小さい子供をあやすようなものに似ているし、元気づけたり慰めたり、そういうものにも取れる。