キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─
わたしが聞けるものなら聞きたいとは、思っている。
じいちゃんにはいつもお世話になってるし、お母さんやお父さんのことだって大好きだ。
郡家の娘として、郡家の問題はわたしの問題という、よくある法則から。
「頼まれて、くれる…?カンナちゃん」
最終確認、お母さん。
そこまでの確実な反応を求めているらしく、謎の圧に押されてコクリ。
「うん!もちろん内容よるけ───」
「というわけでっ!!おめでとうございますカンナちゃん!!」
「ありがとうございますっ!……って、なにが??」
「我々一同っ、君の力を借りることにしました!!」
「……なにを??」
差し出された制服。
見慣れない男子生徒用のブレザー。
「こんな髪型も似合いそうね?」と見せられる、ショートヘアーばかりのヘアカタログ。
「あのう…、お母さん、お話がいっきにぶっ飛んじゃった……」