キミはひみつの王子様。─ようこそ、オオカミだらけの男子校へ─




これ、たぶん食わず嫌いのようなものだと思う。

みんな自分の好きなことや焦りに夢中になりすぎて、没頭しすぎて、他のことに目を向けられなくなってるの。


本当はこうやってみんなで行うスポーツも楽しいんだぞって、そう思わせるところが第一歩な気がした。



「………15対2って、なに」


「俺たちってコールドゲームがお決まりだから」


「………」



しかし結果はボロ負け。

こんな試合もなかなか見たことないほどに、そりゃもう取られに取られた点数。


唯一取れた2点は頼くんのソロホームランと、琥珀くんとムツミが繋いだタイムリーのおかげだった。



「俺そんな打たれてないよね…!?」


「打たれてはないけど、ほとんどフォアボールとデッドボールの押し出しとかいう最低最悪記録」


「………」



そう、かなり当てまくってしまい、生徒たち含め相手クラスの担任にまで「未来のアイドルを潰す気か…!!」と、怒られた。


にしても弱すぎる……。
劇的に弱すぎるよわたしたちのクラス!!

守備もザラだし、ミット力もなければ連帯プレーも地獄級。



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