輪廻〜親愛ヴァンパイア〜
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ペンを置いて、手を伸ばして大きく伸びをした。
テスト期間中ともあって、勉強にかかりっきりで他のことが手につかない。
そんな状態が続いてか、集中力が切れた時の疲労が尋常ではなく。
時計はまだ、9時にも回っていない。
倒れ込みたい衝動をなんとか抑え、飲み物を買いに行く名目で、気晴らしに散歩でもしようと立ち上がって寮の部屋を出た。
夜風が頬を撫でて、昼間より少し心地いい。
このまま時が止まればいいと、自分らしくないことを思った。
もう数週間もすれば夏期休暇に入る。
そうすれば大半が家へと帰って行くのだけど……
私は、どうするのだろう。
ふと思った。
また誰も出迎えてはくれない、一人の家に帰るのだろうか。