輪廻〜親愛ヴァンパイア〜
行動力があり、一人でも適当に生きていけそうな人で野生的。
そして、人を寄せ付けない宝生瑠架の側にいることを許された唯一の人物。
『悪漢人とそれを宥めるお目付け役』
そう名が通るほど、王子に並び有名だった。
そしてもう一人は、苦悶の表情を浮かべて膝をつく、宝生瑠架ーーその人だった。
「だから聞いてるだろ。お前今日薬飲んだかって」
「ぅ、っく……誰が飲む…か、あんなっ……もの…っ」
「いい加減にしろよ。もう限界近いんだろ」
何やら口論になっているらしい。
「我慢すればするほど、迷惑被るのはお前じゃない。
そのうち衝動を抑えられなくなるぞ」
これ以上プライバシーに関わることは危険だ。
深く関わる必要もない。
ゆっくりドアを閉めようとした時。
「……っつ…!」