輪廻〜親愛ヴァンパイア〜
「ははっ…ま、いーや。
瑠架なら自室でベンキョー中。周りに人がいると何も手につかなくなるって質だから厄介なんだよ」
まあ、そうだろう。
自分以外の者……
ましてや種族も違う、秘密も共有できない人間と必要最低限同じ空間にいるのは彼の性格上、できないに違いない。
それも容易に分かること。
「あ、そーだ。間宮ちゃん勉強教えてくんねー?」
「……え?」
「瑠架があんなで近付くなオーラ出してるから聞きにもいけねーの。
俺、赤点常習犯だしもう成績落とすわけいかないわけよ」
な?と首を傾げて色気を漂わせだす利央。
頼む側の立ち振る舞いとは思えない行動。
色仕掛けで誘っているつもりなのだろうか、この男は。
「別に、いいけど…」
「よっしゃ。んじゃ何処ですっか」
「…あまり人がいない方がいい」
「つったら、空き教室当たるしかなぁ…」