輪廻〜親愛ヴァンパイア〜



「……あの」


「んー?」


「転生……って、誰しも経験することなの?」


気にはなっていたけど、以前はいろいろと混乱していて、その場限りの対応で精一杯。


聞けずじまいだったのを思い出した。


利央は話の内容が飲み込めないのか、一瞬きょとんとする。


その後で、ああ……と合点がいったように手を打った。


「普通はしない。俺も前世の記憶とやらは持ってないしな。魂ってのが大きく作用するってことくらい」


「そうなの…?」


「生き物ってのは、死んだら体は腐敗するだろ?
魂はその逆で、死んだらまた次の媒体を探して生き続け、生命と共に産まれてくる。
俗にいう生まれ変わりってやつだな」


「生まれ、変わり…」


「つっても、世界中の生き物全ての魂が生まれ変わるわけじゃない。
放っときゃ持ち主の役目を終えた魂は、浄化されて消えていく。

生まれ変わりに必要な絶対条件。
それは、生前の強い思いが影響する。

生まれ変わるってのは非常に稀なことなんだよ」


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