輪廻〜親愛ヴァンパイア〜
感じた衝撃。
頭の中で様々な弧を描いて絡み合い、ピタリとはまっていく。
知らなかった。
深い想いを抱いて生まれてきた者……。
「そんで、そのまた先に行くとかなり特質になってくるぞ。
魂に刻まれた、生前の強い記憶を受け継いで産まれてくる希少種がいる」
「それは、まさか…」
「俺もよく知ったあいつ……瑠架が、それだ」
まさに丁度、私が考えていたその人で間違いなくて、ドキリとした。
「おかげで上のジジイどもときたら、神の再来だなんだって瑠架を崇めやがって…」
ぶつくさ言って口調が仄かに変わる利央。
ああ、あの人も抱えているものが沢山あるんだ。
「神…?」
「そ。元々瑠架の前世は高貴な奴らしくてさ、神の力を有する高位の霊的存在だって今でも近しい奴らはそう認識してる。
虫唾が走るよな。
……つっても、本人が一番不愉快なんだろーけどさ」