輪廻〜親愛ヴァンパイア〜
…確かに。
行く先々でそう呼ばれれば、辟易することだろう。
「もうオッケー?」
うん、と頷きかけて顔を上げた。
まだ聞きたいことがあったのだ。
ある意味ではこっちが本命なのかもしれない。
「ルイ…マッキンベル」
私をその人だと言ったあの人の。
その目は確かな、確信を持っていた。
「一体、どんな人……?」
私の記憶は完全ではない。
だから、手探りで“彼女”のことを知らなければならない。
そして今、その名を口にした私を目を見開いて凝視する利央。
きっと、何かがある。
「なんで、そんなこと…」
そんなこと、ね…
ピタリとその場で足を止める。
必然的に、利央の足が一歩前で止まり、不思議そうに振り向く。