輪廻〜親愛ヴァンパイア〜
【利央side】
あー…どーしたもんかね。
間宮ちゃんを保健室まで運んで、現場に舞い戻ってみりゃこの状況。
「相変わらず抜けた顔だな」
「それはそこの馬鹿に言ってあげなよ。
君こそ、いつからそんなに腑抜けになったんだい?」
…ちょい待ち。馬鹿って俺のことだよな。
てかお前そればっかだな。
はぁーあ、とため息をつく。
幼少ん時から全く成長しないこの2人の仲は険悪だ。
今も、昔も変わらず。
「皮肉だね。僕と瑠架くんがいがみ合ってまで手中に収めようとした彼女がすぐ側にいるなんて。
3人揃うなんて、何世代ぶりだろうね」
あーもう。調子狂う。
あーあ、そんなあからさまな…。
「あのなぁ……
あのままお前の“魅了”の力を使ってたら、間宮ちゃんは壊れてたはずだ。
そんなことしたら意味ないだろ」
そんなに大事な存在なんだったら、だけどな。