輪廻〜親愛ヴァンパイア〜
「本音を言ってしまえば、僕は君が憎い。
真底憎いよ、瑠架くん。
彼女を受け入れるだけ受け入れて、それで終わりかい?
彼女に愛されていた頃、君はそんなんじゃなかった。
もっと、話の通じる奴だったよ。
だからこそ、がっかりだ。
今後、腑抜けのまま僕の前に出てみろ。
容赦しない」
放つ言葉は、拒絶と非難で棘だらけ。
けどその顔は驚くほど穏やかだ。
言いたいことは言い切った。
そんな表情で泣きそうに微笑んだと思ったら、方向転換して行こうとした。
後ろから、思わず声をかける。
「もう……いいのか?」
「僕から言うことは何もないよ。
…かと言って、ようやく見つけた彼女から手を引くつもりはない。
彼女にただ1人愛されていた癖に……
今さら後ろ向きになる奴には絶対に渡さない。
君が手を出せないのなら、僕が横から掻っさらう」