輪廻〜親愛ヴァンパイア〜
憤怒にも似た、淡紅に鋭く光った瞳。
素直な嫉妬をだだ漏れにし。
その言葉は、まるで瑠架を射抜くように。
諌めるかの如く辛辣に響いた。
こいつもこいつで、怒ってんだろうな。
いくら恋敵と言えど、スキあり状態でみすみす手に入っても面白くないのか。
俺の周りは不器用しか揃わないのかね、まったく。
「おい、瑠架……」
言いかけて、口を閉ざす。
一体、俺は何を言おうとしたんだ?
俺が言えることなんて何もないはずなのに。
けど……
こいつにはちゃんと、届いたか?
そう、思いてーな…。
奥歯を噛み締めて作り拳の親友を見やって、息を一つ吐いた。