Actress〜偽りから始まるプラハの恋〜
#26. 彼女の真実(Side智行)
「新谷、悪いけど今の写真もう1回見せて!」
「え?あぁいいけど、お前が女優に興味持つなんて珍しいな」
スマホで見せられた写真をひったくるように受け取り、改めてその写真を食い入るように見る。
スマホに映し出された写真には、清楚で癒し系の容姿端麗な女性がにっこりと微笑んでいた。
「この子、なんていう女優?名前は?」
「神奈月亜希だよ。ほら、前に話しただろう?俺が応援してた女優なんだけど、スキャンダル起こしたって。こんな清純派なのにショックだって嘆いてたやつ。覚えてない?ああ、お前はちょうど婚約者できたーって時だったから全く興味なさそうに聞き流してたもんなぁ」
「神奈月亜希‥‥」
その見慣れた顔を写真で見ながら、耳慣れない名前を復唱する。
やっと彼女が頑なに隠していたことの糸口を見つけたと思った。
国際会議で日本に来てから、様々な国から集まる各国要人との折衝、交流、情報収集に追われ、休む間もないくらい忙しい日々を送っていた。
会議中はもちろん、夜のレセプションパーティーも多く、朝から晩まで大忙しだ。
だが、僕にとってはこの忙しさが逆にありがたかった。
なぜなら、仕事に忙殺されていないと、僕の前から突然消えてしまった環菜のことを思い出してしまうからだ。
あの日家に帰って環菜がいなくなっていたのに気づいた時、今すぐにでも探しに行きたいと思ったが、翌日から日本へ行くことが決まっていて状況的にどうしても無理だった。
だから、乱れる感情を必死に押さえつけ、いつも通りの笑顔を作り、ここまで仕事に励んできた。
なんで突然いなくなった?
なんで気持ちだけ伝えた?
なんで消える前に抱かれた?
隙を作ると突如湧いてくるのは疑問だらけ。
同時に何も言わずに突然去った環菜に少し腹立たしさも感じる。
こんな混乱を内心抱えているのを隠すため、いつも以上に完璧で隙のない笑顔を浮かべて、各国の腹黒い狸たちとやり合った。
そんな日々を送っていたある日のことだ。
夜にレセプションもなく予定がなかったので、外務省の同期・新谷と飲みに行くことになったのだ。
電話では話していたが、一緒に飲むのは久しぶりのことだった。
「え?あぁいいけど、お前が女優に興味持つなんて珍しいな」
スマホで見せられた写真をひったくるように受け取り、改めてその写真を食い入るように見る。
スマホに映し出された写真には、清楚で癒し系の容姿端麗な女性がにっこりと微笑んでいた。
「この子、なんていう女優?名前は?」
「神奈月亜希だよ。ほら、前に話しただろう?俺が応援してた女優なんだけど、スキャンダル起こしたって。こんな清純派なのにショックだって嘆いてたやつ。覚えてない?ああ、お前はちょうど婚約者できたーって時だったから全く興味なさそうに聞き流してたもんなぁ」
「神奈月亜希‥‥」
その見慣れた顔を写真で見ながら、耳慣れない名前を復唱する。
やっと彼女が頑なに隠していたことの糸口を見つけたと思った。
国際会議で日本に来てから、様々な国から集まる各国要人との折衝、交流、情報収集に追われ、休む間もないくらい忙しい日々を送っていた。
会議中はもちろん、夜のレセプションパーティーも多く、朝から晩まで大忙しだ。
だが、僕にとってはこの忙しさが逆にありがたかった。
なぜなら、仕事に忙殺されていないと、僕の前から突然消えてしまった環菜のことを思い出してしまうからだ。
あの日家に帰って環菜がいなくなっていたのに気づいた時、今すぐにでも探しに行きたいと思ったが、翌日から日本へ行くことが決まっていて状況的にどうしても無理だった。
だから、乱れる感情を必死に押さえつけ、いつも通りの笑顔を作り、ここまで仕事に励んできた。
なんで突然いなくなった?
なんで気持ちだけ伝えた?
なんで消える前に抱かれた?
隙を作ると突如湧いてくるのは疑問だらけ。
同時に何も言わずに突然去った環菜に少し腹立たしさも感じる。
こんな混乱を内心抱えているのを隠すため、いつも以上に完璧で隙のない笑顔を浮かべて、各国の腹黒い狸たちとやり合った。
そんな日々を送っていたある日のことだ。
夜にレセプションもなく予定がなかったので、外務省の同期・新谷と飲みに行くことになったのだ。
電話では話していたが、一緒に飲むのは久しぶりのことだった。