Actress〜偽りから始まるプラハの恋〜
「僕はあなたなんて全く興味も関心もありません。不愉快なくらいですね」
「う、うそでしょ‥‥?」
「あなた達2人には証拠もちゃんとあることですし、正式に弁護士を通して訴えさせて頂きます。ここまでの会話もすべて録音してますので。あと、近日中にそこの記者さんが週刊誌の記事にもしてくれるでしょうね。記事のタイトルは、【月9女優、犯罪に手を染めていた!同じ事務所の後輩女優を悪辣な手で餌食に】とかですかね」
「うそ、うそ、うそ‥‥!」
「マ、マジかよ‥‥!」
千葉真梨花は大きく狼狽えてガタガタと震え出す。
その隣で手を貸した若い男も呆然と立ち尽くす。
あの証拠映像は、マンションとホテルの監視カメラを綿密に調べたら出てきたのだ。
皆川さんから環菜の住んでいたマンションを教えてもらい、さらに犯行があったと思われる日に環菜が参加していたと思われる打ち上げの情報ももらって、そこからホテルを割り出した。
こういう調査は、僕が懇意にしている調査会社にお願いしたし、監視カメラ映像などは付き合いのある公安警察に特別に手を貸してもらったりした。
新谷も何か力になりたいと信頼できる敏腕弁護士を紹介してくれた。
つまり僕の使える人脈をフル活用して探ってみただけのことである。
犯罪に手を染めた相手にはきっちりとその報いとして訴えさせてもらい、環菜のイメージ回復のために週刊誌にはこの件の真実を記事化してもらう。
それが自分がしたことに対するそれ相応の報いというやつだ。
「桜庭さんはなんでこんなことをぉ?全然関係ないでしょぉ‥‥?」
うるうると目を潤ませて、最後の足掻きなのかまだ僕に擦り寄ってくる千葉真梨花に、冷ややかな笑顔を浮かべながら軽蔑の視線で見下ろす。
「ああ、言ってませんでしたっけ?僕は神奈月亜希の婚約者なんで」
「‥‥は?」
「彼女が受けた苦しみの報いはちゃんと受けていただかないとね」
「‥‥うそぉ‥‥」
その瞬間、千葉真梨花から血の気が引き、崩れ落ちるように椅子に座り込んだ。
「では、そういうことで。裁判所からは近いうちに訴状が届くと思いますので。あと、そこの記者さんも、記事の執筆よろしくお願いしますね?」
「「「‥‥‥」」」
千葉真梨花、若い男、記者のそれぞれに順番に笑顔を向けると、全員凍りついたように黙りこくってしまった。
それを了承と解釈し、僕はそのままホテルをあとにした。
日本での予定をすべて終えた僕は、当初の予定通り、そのまま空港へ向かう。
行き先は、プラハではなく、フランスのストラスブールだ。
きっと環菜はそこにいるだろうという確信が僕にはあった。
(もう終わった。環菜はもう隠れる必要も逃げる必要もない。だから迎えに行こう)
スーツの内ポケットから、カサッと紙のかさばるような音がする。
服の上からその紙に触れ、ストラスブールにいるであろう環菜に会ったらまず何を話そうかと僕は考え始めたーー。
「う、うそでしょ‥‥?」
「あなた達2人には証拠もちゃんとあることですし、正式に弁護士を通して訴えさせて頂きます。ここまでの会話もすべて録音してますので。あと、近日中にそこの記者さんが週刊誌の記事にもしてくれるでしょうね。記事のタイトルは、【月9女優、犯罪に手を染めていた!同じ事務所の後輩女優を悪辣な手で餌食に】とかですかね」
「うそ、うそ、うそ‥‥!」
「マ、マジかよ‥‥!」
千葉真梨花は大きく狼狽えてガタガタと震え出す。
その隣で手を貸した若い男も呆然と立ち尽くす。
あの証拠映像は、マンションとホテルの監視カメラを綿密に調べたら出てきたのだ。
皆川さんから環菜の住んでいたマンションを教えてもらい、さらに犯行があったと思われる日に環菜が参加していたと思われる打ち上げの情報ももらって、そこからホテルを割り出した。
こういう調査は、僕が懇意にしている調査会社にお願いしたし、監視カメラ映像などは付き合いのある公安警察に特別に手を貸してもらったりした。
新谷も何か力になりたいと信頼できる敏腕弁護士を紹介してくれた。
つまり僕の使える人脈をフル活用して探ってみただけのことである。
犯罪に手を染めた相手にはきっちりとその報いとして訴えさせてもらい、環菜のイメージ回復のために週刊誌にはこの件の真実を記事化してもらう。
それが自分がしたことに対するそれ相応の報いというやつだ。
「桜庭さんはなんでこんなことをぉ?全然関係ないでしょぉ‥‥?」
うるうると目を潤ませて、最後の足掻きなのかまだ僕に擦り寄ってくる千葉真梨花に、冷ややかな笑顔を浮かべながら軽蔑の視線で見下ろす。
「ああ、言ってませんでしたっけ?僕は神奈月亜希の婚約者なんで」
「‥‥は?」
「彼女が受けた苦しみの報いはちゃんと受けていただかないとね」
「‥‥うそぉ‥‥」
その瞬間、千葉真梨花から血の気が引き、崩れ落ちるように椅子に座り込んだ。
「では、そういうことで。裁判所からは近いうちに訴状が届くと思いますので。あと、そこの記者さんも、記事の執筆よろしくお願いしますね?」
「「「‥‥‥」」」
千葉真梨花、若い男、記者のそれぞれに順番に笑顔を向けると、全員凍りついたように黙りこくってしまった。
それを了承と解釈し、僕はそのままホテルをあとにした。
日本での予定をすべて終えた僕は、当初の予定通り、そのまま空港へ向かう。
行き先は、プラハではなく、フランスのストラスブールだ。
きっと環菜はそこにいるだろうという確信が僕にはあった。
(もう終わった。環菜はもう隠れる必要も逃げる必要もない。だから迎えに行こう)
スーツの内ポケットから、カサッと紙のかさばるような音がする。
服の上からその紙に触れ、ストラスブールにいるであろう環菜に会ったらまず何を話そうかと僕は考え始めたーー。