Actress〜偽りから始まるプラハの恋〜
2人の視線が私に集中して、突然のことにあたふたしていると、ここまで黙って話を聞いていた智くんが口を開いた。
『環菜は日本で活動することを懸念していたけどこの話はそれを気にすることないし、大好きな演技がまたできるんだからチャンスだと思うよ。それともその役を演じる自信がない?できない?』
『‥‥!』
その言葉で私の負けず嫌いな心に火がついた。
(どんな難役だったとしても、練習してできるようにするのが私。これまでもそうしてきた。英語で演じるのは初めてだし挑戦もしてみたい。ここで奮起しなきゃ、女が廃る!)
『できる!やる!‥‥ジェームズさん、私にその役をやらせてください!』
勢いよく彼に頭を下げる。
オファーを快諾する返事にジェームズさんは顔を綻ばせてウンウンと頷いた。
『じゃあ近日中に詳細はスタッフから皆川さんに連絡させるよ。春には撮影が始まると思うからね。環菜、これからもよろしく』
ジェームズさんが私に向かって手を差し出し、私もその手を握り返す。
私たちは固く握手を交わした。
交渉が成立して、ジェームズさんがその場を去ると、智くんと皆川さんと私だけになった。
「じゃあ亜希、僕は先方とのやりとりもあるし、今日をもってまたマネージャーに戻るからよろしく」
「事務所にも所属してないし、フリーの女優になるのかな?」
「そのあたりは今後考えよう」
流れでまた皆川さんにマネージャーをお願いすることになったが、今まで二人三脚でやってきた信頼できる相手だから心強かった。
「あ、そうだ!私、皆川さんに報告しないといけないことがあって」
そう言うと、私はチラリと横目で智くんを見る。
その視線に気づいたのか智くんもニッコリ笑った。
「あのね、私結婚しました!桜庭環菜になりました!」
「ええっ!?いつの間に!!」
皆川さんは目を見開いて私と智くんの交互に視線を送る。
「僕との結婚は、女優としての環菜にマイナスにならないと思いますよ」
智くんはそう言うと、先日私に言って聞かせてくれたイメージ戦略の提案を皆川さんに理路整然と語り出した。
次第に皆川さんの目は真剣みを帯びてきて、私をそっちのけに、2人は今後を話し合っている。
私のことなのに私は置いてけぼり状態だ。
『環菜は日本で活動することを懸念していたけどこの話はそれを気にすることないし、大好きな演技がまたできるんだからチャンスだと思うよ。それともその役を演じる自信がない?できない?』
『‥‥!』
その言葉で私の負けず嫌いな心に火がついた。
(どんな難役だったとしても、練習してできるようにするのが私。これまでもそうしてきた。英語で演じるのは初めてだし挑戦もしてみたい。ここで奮起しなきゃ、女が廃る!)
『できる!やる!‥‥ジェームズさん、私にその役をやらせてください!』
勢いよく彼に頭を下げる。
オファーを快諾する返事にジェームズさんは顔を綻ばせてウンウンと頷いた。
『じゃあ近日中に詳細はスタッフから皆川さんに連絡させるよ。春には撮影が始まると思うからね。環菜、これからもよろしく』
ジェームズさんが私に向かって手を差し出し、私もその手を握り返す。
私たちは固く握手を交わした。
交渉が成立して、ジェームズさんがその場を去ると、智くんと皆川さんと私だけになった。
「じゃあ亜希、僕は先方とのやりとりもあるし、今日をもってまたマネージャーに戻るからよろしく」
「事務所にも所属してないし、フリーの女優になるのかな?」
「そのあたりは今後考えよう」
流れでまた皆川さんにマネージャーをお願いすることになったが、今まで二人三脚でやってきた信頼できる相手だから心強かった。
「あ、そうだ!私、皆川さんに報告しないといけないことがあって」
そう言うと、私はチラリと横目で智くんを見る。
その視線に気づいたのか智くんもニッコリ笑った。
「あのね、私結婚しました!桜庭環菜になりました!」
「ええっ!?いつの間に!!」
皆川さんは目を見開いて私と智くんの交互に視線を送る。
「僕との結婚は、女優としての環菜にマイナスにならないと思いますよ」
智くんはそう言うと、先日私に言って聞かせてくれたイメージ戦略の提案を皆川さんに理路整然と語り出した。
次第に皆川さんの目は真剣みを帯びてきて、私をそっちのけに、2人は今後を話し合っている。
私のことなのに私は置いてけぼり状態だ。