Actress〜偽りから始まるプラハの恋〜
そのあとも、冷静になった環菜が考え直してしまわないよう、思い直す時間を与えずに次々に段取り良く進めた。
両親に結婚すると連絡を入れた時には驚かれた。
結婚するような相手がいる素振りが僕に全然なかったからだ。
「結婚するだって!?」
「本当なの、智行!!」
テレビ電話越しに父と母が仰天している顔が見える。
「本当だよ。すぐにでも入籍してしまおうと思ってるんだけど、彼女が両親に挨拶しなくていいのかって気にしててさ。でもベルギーに行く時間もないし、テレビ電話で問題ないよね?」
「本当はお会いしたかったけど、しかたないわね。ね、あなた?」
「そうだな。会うのは入籍後でも構わない」
「それなら近日中にテレビ電話するよ」
そう言って話を終わらそうとすると、「待て待て待て」と両親に止められる。
2人はもっと詳細を聞きたいようだ。
「私も外交官だから分かるが、日本と海外を行き来するような仕事で相手にも負担をかけることも多いが大丈夫なのか?」
「それは大丈夫だと思うよ。彼女は会社員でもないし、比較的融通が効くんじゃないかな。それに英語も話せるし」
父は自分自身の経験から、相手に仕事への理解があるのかが一番気になるようだった。
「あら?何のお仕事をしている方なの?お歳は?」
「日本で女優活動をしていた女性だよ。年齢は僕より5歳年下」
母は彼女がどういう人物なのかが気になるようだった。
「女優!?」
「なんていう女優さんなの!?私が知ってる人かしら?」
僕が環菜の芸名を告げると、ネット配信で日本のドラマを観ているらしい母が悲鳴を上げた。
「ええっ!あの朝ドラでヒロインの親友役を熱演してた子じゃないの!健気で心優しくって何度もヒロインの窮地を助けるあの子!本当に!?」
どうやら環菜はかなり好感度の高い役を過去に演じていたようだ。
母はテレビ電話越しでも会えることが嬉しいようで機嫌が良さそうに見えた。
そして千葉真梨花の件が記事になった数日後に両親とのテレビ電話をセッティングし、環菜と対面させた。
環菜はレセプションで初対面の人と会うことにも慣れているし、少し緊張していたようではあったがいつも通り笑顔で接していた。
父も母もそんな環菜に好感を持ったようで、すんなり対面は終わり、正式に両親の承諾も得ることができた。
両親の性格からして、始めからこうなるだろうことは想定の範囲内だったので僕としてはTo Doリストを1つこなした感覚だったのだが、環菜は心底ホッとしているようだった。
両親に結婚すると連絡を入れた時には驚かれた。
結婚するような相手がいる素振りが僕に全然なかったからだ。
「結婚するだって!?」
「本当なの、智行!!」
テレビ電話越しに父と母が仰天している顔が見える。
「本当だよ。すぐにでも入籍してしまおうと思ってるんだけど、彼女が両親に挨拶しなくていいのかって気にしててさ。でもベルギーに行く時間もないし、テレビ電話で問題ないよね?」
「本当はお会いしたかったけど、しかたないわね。ね、あなた?」
「そうだな。会うのは入籍後でも構わない」
「それなら近日中にテレビ電話するよ」
そう言って話を終わらそうとすると、「待て待て待て」と両親に止められる。
2人はもっと詳細を聞きたいようだ。
「私も外交官だから分かるが、日本と海外を行き来するような仕事で相手にも負担をかけることも多いが大丈夫なのか?」
「それは大丈夫だと思うよ。彼女は会社員でもないし、比較的融通が効くんじゃないかな。それに英語も話せるし」
父は自分自身の経験から、相手に仕事への理解があるのかが一番気になるようだった。
「あら?何のお仕事をしている方なの?お歳は?」
「日本で女優活動をしていた女性だよ。年齢は僕より5歳年下」
母は彼女がどういう人物なのかが気になるようだった。
「女優!?」
「なんていう女優さんなの!?私が知ってる人かしら?」
僕が環菜の芸名を告げると、ネット配信で日本のドラマを観ているらしい母が悲鳴を上げた。
「ええっ!あの朝ドラでヒロインの親友役を熱演してた子じゃないの!健気で心優しくって何度もヒロインの窮地を助けるあの子!本当に!?」
どうやら環菜はかなり好感度の高い役を過去に演じていたようだ。
母はテレビ電話越しでも会えることが嬉しいようで機嫌が良さそうに見えた。
そして千葉真梨花の件が記事になった数日後に両親とのテレビ電話をセッティングし、環菜と対面させた。
環菜はレセプションで初対面の人と会うことにも慣れているし、少し緊張していたようではあったがいつも通り笑顔で接していた。
父も母もそんな環菜に好感を持ったようで、すんなり対面は終わり、正式に両親の承諾も得ることができた。
両親の性格からして、始めからこうなるだろうことは想定の範囲内だったので僕としてはTo Doリストを1つこなした感覚だったのだが、環菜は心底ホッとしているようだった。