Actress〜偽りから始まるプラハの恋〜
慌ただしく忙しい日々を送っていると6ヶ月はあっという間に過ぎ去っていった。
そして今私は羽田空港に舞い降りた。
「久しぶりの日本だね、環菜。環菜はスキャンダルの後から帰ってないし、1年半ぶりくらいなんじゃない?」
「うん。本当に久しぶりだなぁ」
帽子に眼鏡、マスクをして変装しながら、皆川さんと出口に向かって歩く。
あのスキャンダルからもうすぐ2年になるが、あれから一度も日本に帰っていなかった私はまだ日本人からの目が怖く、念には念を入れて変装をしていた。
またあの悪意のこもった目で見られるのではないかと想像してしまい、未だに身がこわばってしまうのを止められない。
人の視線を避けるように俯きつつ、到着口から出ると、「環菜!」と愛しい声が耳に入った。
到着を待つ人の中に智くんがいたのだ。
平日の昼間だから仕事中のはずだし、搭乗フライトは伝えてあったが迎えに来てくれるとは聞いてなくてビックリする。
「ああ、桜庭さんが迎えに来てくださってるんだね。久しぶりに会うんだから、お邪魔だろうし僕は先に帰るよ。しばらくゆっくりして!また連絡する」
皆川さんは智くんの姿を認めると、そう言って智くんに一礼した後、足早に去って行ってしまった。
残された私のもとに智くんは近寄ってくると、私からスーツケースを奪い、私の手を引いて歩き出す。
「と、智くん?どこ行くの?」
「いいから。ちょっとこっちおいで」
ズンズン歩き出す智くんの背を慌てて追いかけると、ほとんど人通りのない閑散としたところに辿り着いた。
そこで智くんは足を止め、スーツケースを離す。
死角になる壁際に私を立たせると、私の頭を自分の胸に押し付けるようにして抱きしめてきた。
「人目があるところは避けた方がいいかと思って我慢してた。‥‥環菜、おかえり」
「智くん‥‥。今帰りました。‥‥ただいま」
私も智くんの背に手を回してきつく抱きしめ返す。
私たちは離れていた期間を埋めるかのように、身体の隙間なくぴったりとくっつき、お互いの存在を確かめ合った。
その温かなぬくもりに、「ああ、私の帰る場所に戻ってきた」と実感する。
嬉しくて涙が出そうだった。
「智くん今日仕事は?」
「環菜が帰ってくる日なんだから、そんな時くらい休み取るに決まってるでしょ」
「迎えに来てくれてありがとう!嬉しい!」
「車で来てるからさっさと帰ろう。ハグだけじゃ足りないよね?半年分を埋め合わないとね」
「‥‥!」
ニッコリと王子様スマイルを浮かべる智くんに、いつの日かのお詫びを思い出し身体が熱くなる。
人の目を恐れてこわばっていた私はもうどこにもいなくなっていたーー。
そして今私は羽田空港に舞い降りた。
「久しぶりの日本だね、環菜。環菜はスキャンダルの後から帰ってないし、1年半ぶりくらいなんじゃない?」
「うん。本当に久しぶりだなぁ」
帽子に眼鏡、マスクをして変装しながら、皆川さんと出口に向かって歩く。
あのスキャンダルからもうすぐ2年になるが、あれから一度も日本に帰っていなかった私はまだ日本人からの目が怖く、念には念を入れて変装をしていた。
またあの悪意のこもった目で見られるのではないかと想像してしまい、未だに身がこわばってしまうのを止められない。
人の視線を避けるように俯きつつ、到着口から出ると、「環菜!」と愛しい声が耳に入った。
到着を待つ人の中に智くんがいたのだ。
平日の昼間だから仕事中のはずだし、搭乗フライトは伝えてあったが迎えに来てくれるとは聞いてなくてビックリする。
「ああ、桜庭さんが迎えに来てくださってるんだね。久しぶりに会うんだから、お邪魔だろうし僕は先に帰るよ。しばらくゆっくりして!また連絡する」
皆川さんは智くんの姿を認めると、そう言って智くんに一礼した後、足早に去って行ってしまった。
残された私のもとに智くんは近寄ってくると、私からスーツケースを奪い、私の手を引いて歩き出す。
「と、智くん?どこ行くの?」
「いいから。ちょっとこっちおいで」
ズンズン歩き出す智くんの背を慌てて追いかけると、ほとんど人通りのない閑散としたところに辿り着いた。
そこで智くんは足を止め、スーツケースを離す。
死角になる壁際に私を立たせると、私の頭を自分の胸に押し付けるようにして抱きしめてきた。
「人目があるところは避けた方がいいかと思って我慢してた。‥‥環菜、おかえり」
「智くん‥‥。今帰りました。‥‥ただいま」
私も智くんの背に手を回してきつく抱きしめ返す。
私たちは離れていた期間を埋めるかのように、身体の隙間なくぴったりとくっつき、お互いの存在を確かめ合った。
その温かなぬくもりに、「ああ、私の帰る場所に戻ってきた」と実感する。
嬉しくて涙が出そうだった。
「智くん今日仕事は?」
「環菜が帰ってくる日なんだから、そんな時くらい休み取るに決まってるでしょ」
「迎えに来てくれてありがとう!嬉しい!」
「車で来てるからさっさと帰ろう。ハグだけじゃ足りないよね?半年分を埋め合わないとね」
「‥‥!」
ニッコリと王子様スマイルを浮かべる智くんに、いつの日かのお詫びを思い出し身体が熱くなる。
人の目を恐れてこわばっていた私はもうどこにもいなくなっていたーー。