Actress〜偽りから始まるプラハの恋〜
皆川さんとの通話から30分くらいが経った頃、玄関のチャイムが鳴る。
コンシェルジュに2人の訪問は伝えてあったため、玄関までそのまま進んできてもらった。
私は呆然としていて起きた時から僅かに身だしなみを整えた程度だったが、2人を家の中に招き入れる。
社長と皆川さんの顔色は悪く、事態が最悪なことがそれだけで伝わってくる。
3人とも何も言わず、無言のままリビングのソファーに全員で腰掛けた。
お通夜のような空気の中、最初に沈黙を破ったのは社長だった。
「それで亜希、まずは状況を説明してほしい」
「先程皆川さんにも話しましたが、私には全く心当たりがありません。本当に分からないんです‥‥」
「でもこの写真はお前だよな」
「‥‥私ですね」
「お前、事務所に秘密で男がいたのか?」
「いません!本当です!」
「なら、これはなんだ!?」
最初は落ち着いていた社長は、だんだんと行き場のない感情を吐き出すように激昂した。
その怒りに触れ、悪いことはしていないはずなのに、思わず身が縮まる。
見かねたように助け舟を出してくれたのは皆川さんだ。
「社長落ち着いてください。確かにマネージャーの私からしても、亜希に彼氏がいる気配はなかったです。だからこそ僕も驚いているわけですけど」
皆川さんは今度は私に目を向け、確認するようにゆっくり問いかけてきた。
「亜希、例えばここ最近で意識を失うこととかなかった?記憶が飛んでたことがあるとか」
「意識を失う?記憶が飛ぶ‥‥?」
そう言われてここ最近のことを思い出し、思わず背筋がゾクリとする。
動悸が早くなり、冷や汗が噴き出す。
「その様子だとあるんだね?」
「‥‥はい。2週間くらい前のことです。ドラマの打上げに行って途中で寝ちゃったみたいで、気付いたら家にいました。その間の記憶はありませんが‥‥でも‥‥」
そう、そんなことが少し前にあったのだ。
家に帰って来ていたことから、飲み過ぎたけどなんとか自分で帰ってきたのかなと思っていた。
着衣の乱れや身体の違和感もなかった。
コンシェルジュに2人の訪問は伝えてあったため、玄関までそのまま進んできてもらった。
私は呆然としていて起きた時から僅かに身だしなみを整えた程度だったが、2人を家の中に招き入れる。
社長と皆川さんの顔色は悪く、事態が最悪なことがそれだけで伝わってくる。
3人とも何も言わず、無言のままリビングのソファーに全員で腰掛けた。
お通夜のような空気の中、最初に沈黙を破ったのは社長だった。
「それで亜希、まずは状況を説明してほしい」
「先程皆川さんにも話しましたが、私には全く心当たりがありません。本当に分からないんです‥‥」
「でもこの写真はお前だよな」
「‥‥私ですね」
「お前、事務所に秘密で男がいたのか?」
「いません!本当です!」
「なら、これはなんだ!?」
最初は落ち着いていた社長は、だんだんと行き場のない感情を吐き出すように激昂した。
その怒りに触れ、悪いことはしていないはずなのに、思わず身が縮まる。
見かねたように助け舟を出してくれたのは皆川さんだ。
「社長落ち着いてください。確かにマネージャーの私からしても、亜希に彼氏がいる気配はなかったです。だからこそ僕も驚いているわけですけど」
皆川さんは今度は私に目を向け、確認するようにゆっくり問いかけてきた。
「亜希、例えばここ最近で意識を失うこととかなかった?記憶が飛んでたことがあるとか」
「意識を失う?記憶が飛ぶ‥‥?」
そう言われてここ最近のことを思い出し、思わず背筋がゾクリとする。
動悸が早くなり、冷や汗が噴き出す。
「その様子だとあるんだね?」
「‥‥はい。2週間くらい前のことです。ドラマの打上げに行って途中で寝ちゃったみたいで、気付いたら家にいました。その間の記憶はありませんが‥‥でも‥‥」
そう、そんなことが少し前にあったのだ。
家に帰って来ていたことから、飲み過ぎたけどなんとか自分で帰ってきたのかなと思っていた。
着衣の乱れや身体の違和感もなかった。