青天、哉。
私にはもちろん、名前がある。
好きか嫌いかでいうと、好きな名前だ。
でも、名前が重要かというと、そうじゃないような気がした。
逆にこれくらい適当な方が、かえって面白いんじゃないか、と。
現に、頼人は自分のことを「ライト」だと名乗った。
「どういう意味でライトなの?」
と聞くと、頼人は鮭とばをライターで炙りながら、
「ポーランド人の電球ジョークの話を知ってる?」
と聞いてきた。
「わからない」
「じゃあ、一度調べてみるといい。大体そんな感じだから」
そう言って、炙り過ぎたらしい鮭とばをビールで流し込んだ。