青天、哉。




後日、そのジョークの話を知った時、ああ、なるほどなと思った。


たしかに、頼人には、それをさせるだけの人が必要だった。


どうして今まで生きてこられたのか、不思議なくらい頼人には、いろんな何かが欠如していた。


だから、あんなバカ女を家に連れ込むようなことをできるんだと思う。


「じゃあ、私はホリーちゃんって呼ぼうかな?」


とバカ女が言った。


「ホリーか。それはいい」


と頼人も笑った。


その日から私は、ホリーになった。


そして、あのバカ女も、もちろん頼人も、実はある程度の知性と教養があることを、これまた後日知ることになるのだった。



< 21 / 70 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop