青天、哉。
そう叫んで辺りを見回しても、通行人は一瞥したり、一瞬だけ立ち止まったりするだけで、誰も寄ってこない。
頼れるのは自分だけ。
こんなことになるなら、と思う。
見て見ぬフリをすればよかった。こんな時間に、こんな路地なんか歩かなければよかった。学校に真面目に行っておけばよかった。
よかった、よかった、よかった。
でも、とも思う。
あの時逃げなくてよかった。この時間に、この路地を歩いていてよかった。助かってよかった。
よかった、よかった、よかった。