青天、哉。




観覧車に乗り込むと、あれ? 私って高いところ平気だっけ?


と思ったけど、もう乗ってしまった後だ。あまり深く考えないようにした。


しかし、考えないように、考えないようにすれば、するほど、考えてしまうのが人間で、何か気を紛らわせなければと、私はちかげに話しかけた。


「今日って何食べました?」


「まだ何も食べてないわね」


「好きな本とかってあります?」


「内緒よ。内緒」


「あの、ちかげさんは遊びに行くならどこに行きますか?」


「あのさー」とちかげはため息交じりに言った。


「あんたの話、つまんないんだけど」



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