青天、哉。
6
スウェットの紐で区切られた線。
その線の向こう側で、頼人が何やら押し入れから物を出してゴソゴソとしている。
このときはまだ、まさかこたつを出すなんて思わなかったし、使わせてくれないなんてことも思ってもみなかったから、まんまと向こう側にお邪魔して、手伝ってしまった。
「はあ、やっぱり冬はこたつだよな」
とこれみよがしに自慢してくるうざい同居人。
ここ最近の私は、バイト代で買った毛布を、頭から被りながら過ごしているというのに。
良心というものがないのだろうか。